高橋清隆の文書館

 当ブログでは、マスメディアが伝えない情報や事象分析を発信しています。
新聞やテレビがつくる「社会標準」から解放されれば、人類は本来の豊かな人生を送れると確信します。

2008年06月

車が取り上げられる

 近ごろ、自動車にまつわる負の報道が多い。人身事故やガソリン価格の高騰、地球温暖化への影響、道路特定財源一般化への動きなど。一方で、自転車利用を促進する番組や特集記事が増えている。外資がわが国の市場を席巻し、低賃金労働がまん延する中、国民から自動車を取り上げる計画が進められている気がしてならない。

自動車事故を糾弾し、自転車3人乗りを宣伝
 自動車に対する負の報道の筆頭は、交通事故である。2006年8月、福岡で起きた市職員の飲酒による3児死亡事故は全国ニュースのトップで扱われた。翌月には、埼玉県で脇見運転中の車が児童の列に突っ込み4人が死亡する事故も大きく報じられた。

 しかし、交通事故は減少傾向にあり、2007年の死傷者数は5000人台まで低下した。飲酒運転による交通事故も2002(平成12)年をピークに減り続け、2007年度は3分の1近くの7558件まで低下した。飲酒運転による死亡数も同様の推移を示す。

 事故の減少には、2002年と2007年の罰則強化が影響していると見られ、事故の大報道はこの法改正を後押ししてきた。NHKの『クローズアップ現代』は福岡の事故の前と後に、飲酒運転の事故撲滅をテーマに放送している。このとき、すでに飲酒事故は減っていた。福岡の事故では、県警挙げての捕り物劇が展開され、検察が危険運転致死傷罪での起訴に踏み切る異例の対応がなされた。新設された罪状での立件実績をつくるとともに、2007年の法改正にひき逃げへの罰則強化を盛り込むことにつながった。そして事故が減る今も、飲酒や死亡事故を大きく報じ続ける。

 一方、自転車の利用拡大につながる報道が盛んだ。毎日新聞は5月に「自転車3人乗りを考える」という特集を組み、3人の識者の意見を載せている。自転車の前後に児童を乗せる行為は禁止されているが、警察庁が容認に向けた検討を始めている。紙面で法やインフラの不備を挙げてもらうことは、改正の推進力になる。

 警察庁の「幼児2人同乗用自転車」検討委員会は安全な3人乗り自転車の開発可能性や普及に必要な事項などを探るもの。文書は「幼児2人同乗を行っている実態」が解禁への保護者の要請と認められるとしているが、突然そのようなことを言うのはおかしい。しかも、子供の数は減っているのだ。

 NHK教育テレビ『土よう親時間』は5月に「安全なママチャリ大論争!」を放送し、3人乗りを要望する母親たちの声を紹介。スタジオに3人乗り自転車を持ち込み、ゲストに試乗させている。

自転車の利用環境を整備、自動車には次々と制約
 国土交通省は自転車配慮型道路の整備に着手した。「背景」の1つとして自転車事故の増大を挙げているが、自転車乗車中の死者はこの10年減少傾向にあり、平成9年の1065人から平成19年は745人にとどまる。そのためか、文書の説明部分には「増加率」と記されている。増えているのは全交通事故死者に占める割合だけである。

 交通手段の変更を求める根拠として、最も説得力を持つのは歩道上の事故である。歩道上で自転車と歩行者が接触する事故は10年間で約4.5倍に増えた。この問題は『クローズアップ現代』で度々取り上げられてきたし、昨年11月には東京・渋谷で75歳の女性が自転車にはねられて死亡するニュースが大きく扱われた。

 歩道上のトラブルが自転車専用道や自転車専用帯の整備を促しているととらえることができるが、整備すれば自動車の通行空間は狭まる。これはそのまま、自動車から自転車へのシフトを促す意味を持つ。むしろ、歩道上の接触事故が道路の用途変更の口実にされたと解釈すべきではないだろうか。

 自動車から自転車へのシフトを促す施策は、すでに始まっている。道路交通法は昨年9月施行の改正で飲酒運転やひき逃げの罰則を強化したのに続き、今年6月1日からは自転車通行に関するルールを変更した。自転車が歩道通行できるのは道路標識等が認めている所のほか、運転者が児童や幼児等の場合や交通状況からやむを得ない場合とした。これにより「自転車通行指定部分」へ誘導している。また、児童・幼児にヘルメットをかぶせる努力義務が明記された。

 今回の改正は自転車を交通手段として本格化させる表れといえる。同じ日、車の後部座席でシートベルト着用が義務付けられた。後部座席での着用率は一般道では7.5%、高速道でも12.7%と低い。それだけに自動車利用をけん制するものに見える。

 また、75歳以上の人は自動車運転時に高齢運転者標識の表示が義務付けられた。これも利用者の抑制につながるだろう、4月1日からは70歳以上の高齢者に運転免許証の自主返納も呼び掛けている。返納者には「運転経歴証明書」を発行し、賛同する企業や団体から特典を受けられる誘因を持たせている。高齢者に不注意事故が多いからといって、免許を公然と取り上げる動きに「強権」という言葉を連想するのはわたしだけだろうか。

燃料高騰や温暖化で庶民生活を追い込む
 自動車利用を敬遠させるほかの要素も拡大している。ドライバーにとって最大の頭痛の種は、ガソリンの高騰だろう。小売価格は1987年の統計開始以来、初めて1リットル=170円台に突入した。一時1バレル=135ドルを突破した原油価格は、ゴールドマン・サックスの予測では200ドルまで上昇するという。第一生命経済研究所の試算によれば、この場合、家計の負担額は年間7万5000円に迫るとされる。企業は消費の冷え込みと負担増で経常利益13.3%押し下げられると分析する。

 暫定税率が一月間だけ掛からなかっただけに、値上がり感はひとしおである。これは恒久的廃止への世論づくりの仕掛けかもしれない。道路特定財源の一般化と相まって、将来の道路整備が減退するのは避けられそうにない。社会資本整備から手を引き始めている政府の姿勢からも、自動車排除の意図を感じる。

 ガソリン値上がりを受け、幼稚園や保育所などではすでにバスによる送迎を取りやめる所も出始めた。買いだめもしにくくなっている。5月下旬、神戸市のセルフ式ガソリンスタンドで、客が持参した容器にガソリンを入れて引火する火事があった。消防法では、客が車以外の容器にガソリンを入れることを禁止ししており、店員はこの微罪で初めて摘発された。終日テレビ報道されたから、換え控えさせるためのキャンペーンだろう。

 地球温暖化問題も、自転車へのシフトを促す1つの理由にされている。しかし、二酸化炭素の排出が温暖化の原因とは、学術的に断定できていない。太陽活動の周期変動によるものとする多数の学者の見解は、一切マスメディアに載ることはない。

 皆さんは、自転車へのシフト促進が、ガソリン高騰や道路建設の減退、環境問題などを見越しての施策と考えるだろうか。わたしにはそう思えない。いずれの障壁も、人為的に作り出せるからである。それどころか、国民生活の悪化を招く自滅的経済政策全般が自動車利用の障壁ともいえる。

 昨年の三角合併解禁で優良企業は次々と外資の手に落ち、郵政民営化で国民の虎の子350兆円はハゲタカに奪われるのを待つ。1999年の派遣労働解禁で、今や労働者の3分の1が非正規雇用。その割合は増え続けており、正規職員には米国の求めるホワイトカラー・エグゼンプションすなわち残業ただ制度が導入されようとしている。

 もっとも、わたしは車に愛着があるわけではない。歩行者にクラクションを鳴らし、横断歩道も止まることのない車など、ない方がいいとも思ってきた。それでも看過できないのは、交通シフトを促す施策と報道が労働成果を国民に渡さない決意表明に見えるからである。低賃金で不安定な労働を強いながら、保険や年金などのセーフティーネットは細る一方だ。今まででさえ、質素倹約を教え込まれ、世界第2位の富をつくるほど稼ぎながら「ウサギ小屋」に住んできた。庶民にとって車は豊かさの象徴であり、これを奪うことは日本人の奴隷化を意味するのではあるまいか。

 そもそも、戦争で占領した国に資金や技術を無償提供し、富ませて去るお人好しの国などない。ドッジプランもプラザ合意も、構造改革も、支配者の計画の一環だったと見るべきではないか。

 恋人や家族とのドライブなど、いずれ日本人にとって映画の中のお話になるかもしれない。そうなれば、ほかの純粋な娯楽は推して知るべしである。飲酒事故やガソリン高騰のニュースが流れるたび、わたしの心は暗くなる。

植草事件の真相封じたねつ造ブログ−−ネットも支配する情報操作の闇−−(上)(中)(下)

 痴漢事件の容疑で起訴され、上告中の植草一秀元教授に対し、友人と称する者が個人ブログで事件当初から植草氏「クロ」の印象を流布してきた。ところが、植草氏が4月にブログを始めたことから「友人」の記述がねつ造であることが知られるようになり、ねつ造ブログを持ち上げてきたマスコミの責任を問う声がネット上に広まっている。
 この事態には、ネットを含めたメディアを網羅する情報工作の存在がちらつく。

ぐっちーキャプチャ_2
逮捕翌日の植草氏と面会したうそを書いたブログ
 
面会、証言など悪質なうそが公然と

 ねつ造が問題になっているブログは、『債権・株・為替 中年金融マン ぐっちーさんの金持ちまっしぐら』。植草氏によれば、書いているのは証券会社に勤務するY・M氏で、毎日新聞の対談記事によれば5月25日時点で47歳。2006年9月13日に植草氏が京急電車内の痴漢容疑で逮捕された際、拘置先で接見してきたことなどをつづっていた。

 初報のあった同年9月14日の日記は「植草一秀君ー2」と題し、「どうしたもんでしょう??やはり病気だったんでしょうか。こちらで植草擁護論をぶちあげ、東京地方裁判所にて証人に立ったぐっちーとしてはもうマカロニ状態ですな」「これから本人に会いに行ってきます」などと書かれている。

 翌15日は「いかにもな話」と題し、「植草君に会ってきました」と始めている。

 「今はあまり詳しくいえないんですが、やはり彼は相当世の中を甘く見ているかもしれない。」「何がいいたいかをいうとそういう一連の非合理性の証明が前回の裁判でかなり有効だった・・・・という事実に味を占めてしまった、という感じがしないでもない。つまり片手にかばん、片手にかさ、触れる訳無いじゃん、と供述したというのですよ。これは結構痛い。前回と違い証人が3人(被害者を含めて)。それも全て民間人で・・・ってなことになると嵌められた説はなかなかとれませんよね。で、警察も相当不信感を持って、問い詰めた所『酔って覚えてない』、となったという訳ですから、おい、確信犯かよ、という受け止め方になっていて簡単には離してくれそうにない・・・・というのが現状です。
 彼の復帰にほんとに粉骨砕身した人々がたくさんいるんですよ。それをどう受け止めるか、今後の人生に全てをかけて欲しいですね」

 植草氏のブログによれば、Y・M氏が裁判で証人に立ったことも、面会に訪れた事実もないという。

警察や弁護人も虚偽と認定

 筆者が6月12日、蒲田署に電話で問い合わせたところ、「接見の記録についてはお答えできない」としながらも、一般論として「勾留(こうりゅう)直後の3、4日間は接見を認めていない」との回答を得た。しかも、接見禁止の場合はこの期間にとどまらない。事実、筆者は2006年9月14日夕方に同署へ行ったが、植草氏との接見はおろか、担当警察官との面会も許されなかった。「担当者は取調中で手が離せない」という理由だった。

 また、2004年事件から植草氏の弁護人を務めてきた弁護士は筆者に、Y・M氏が2004年の事件で証人として公判廷で証言した事実はないと明言した。「公開の法廷で行われた手続きであり、客観的に明白なこと」と述べている。この弁護士は2007年4月11日に植草氏からブログの内容などを知らされ、翌日Y・M氏に電話した。証人として証言したことや弁護活動に関与したかのような虚偽の記述、それにこの弁護士のことをイニシャル入りで引き合いに出し、事件についての情報を得て意見交換したかのような虚偽の記述があったことを抗議し、謝罪と該当個所の削除を求めた。Y・M氏は謝罪の言葉を述べるとともに、削除するがすぐにはできないので待ってほしいと述べたという。ただし、謝罪は弁護士に対してのみ行われたと解すこともできる。

 その後削除の気配がないので、民事担当の弁護士が2007年5月7日に内容証明郵便を送付。裁判で証人に立ったことや「これから本人に会いに行ってきます」「植草君に会ってきました」などブログ上の虚偽記載を削除することや、雑誌取材への虚偽のコメントをしたことが疑われる事実について回答を求め、法的対応を検討する可能性を警告した。その上で、今後そのようなことがないように求めた。この文書は同年5月13日に受け取られている。

 一つの個人ブログの記述は強い影響力を発揮した。それにはマスコミの姿勢が大きく関係する。マスコミが警察発表の情報しか流さないので、真実を知りたい多くの人がこのブログに注目した。「友人が『やった』と言ってお手上げならしょうがない…」。そう思ったブログの読者も多いはず。Y・M氏は2004年事件の地裁判決後も「植草一秀君」と題し、植草氏に悪印象を持たせる記事を書いている。親密な仲を打ち明けているが、植草氏は知人の経営する飲食店で何度か顔を合わせたことがあるだけで、2004年事件後に接触したことは一度もないという。

 筆者は6月18日、Y・M氏に対し、なぜうそを書いたのか、植草氏への謝罪と該当記事の削除などの意志はあるか、責任についてどう考えるかの3点について質問を送信したが、22日まで返事はない。


植草事件の真相封じたねつ造ブログ
−−ネットも支配する情報操作の闇−−(中)

(上)からの続き
ねつ造ブロガーを祭り上げるマスコミ

 マスコミの最大の罪は、このブロガーを祭り上げたことだ。毎日新聞はインターネットサイト『毎日jp』で1月にY・M氏へのインタビュー記事を掲載している。「アルファブロガーに聞く〜第7回 ぐっちーさん」と題する企画記事で、「動機は『ある種の正義感』」との見出しを付けている。彼がブログを始めた動機について語った部分を受けたもの。

ぐっちーインタビュー_2
ねつ造ブロガーに「正義」を冠した毎日新聞のネット記事

 朝日新聞社は週刊誌『AERA』にY・M氏のコラムを掲載している。「MONEY ぐっちーさん◆ここだけの話」との題で、新年号からの連載である。

 産経新聞は5月5日のインターネット版に「政界混迷で注目浴びる『ネット政談』 人気ブロガー『やってられないわ』断筆宣言」との記事を掲載。3人の人気ブロガーの1人として、Y・M氏を紹介している。「礼儀を知らない読者の非常識が『優良な書き手を駆逐していく』と慨嘆しており、『ぐっちーブログもそろそろ』と漏らす」と彼の見解を取り上げている。

 また、毎日新聞のインタビューによれば、Y・M氏はテレビ東京にも2年ほど前から出演しているという。無数にいるブロガーの中から、虚偽の情報を流す人物を選んでいる。

 5月26日、福島中央テレビのアナウンサーが同社のホームページにY・M氏のブログの記述を盗用していた事件が報じられた。盗用したアナは2カ月の懲戒休職と職場変更の処分を受けた。このニュースは各マスメディアが扱ったが、Y・M氏が加害者となっているねつ造事件は無視している。一人の人間の名誉を傷付け、刑事裁判を不利にした問題は大きい。植草氏は自身のブログで「マスメディアの代表とも言える全国紙の毎日、産経、朝日の各新聞社は、この問題について頬かむりをすることは許されないはずである」と責任を問う。

 Y・M氏を持ち上げてきたマスコミは、この問題をどう考えているのか。『AERA』の尾木和晴編集長は電話取材に対し、「事実を確認していない。一人の作家がほかで問題になっているわけで、AERAで問題が起きているわけではない。事態の推移を見守りたい」と答えた。Y・M氏へ働きかけや読者への説明の意志を尋ねると、「読者から問い合わせは来ていないし、植草氏からも正式な説明を求められていない」と静観の構えだ。

 毎日新聞のネット記事でY・M氏にインタビューした磯野彰彦デジタルメディア局次長は、自身のブログ『竹橋発』で今回の疑惑について本人に問い合わせたと書く。磯野氏は同社で筆者の取材に応じた。記事でこのブロガーを紹介した責任について「1月に取材した後、批判もなかった。ただ、もう少しブログによく目を通して調べるべきだった」と話した。ねつ造の事実を認めるかとの質問には「わたしのブログに書いた通り」とし、「疑惑について否定する材料を得られなかった」と答えた。Y・M氏がねつ造の事実を認めているかどうかについては「ねつ造ということは認めなかった。ただし、書きすぎた点はあり、(植草氏の)弁護士には陳謝したような印象を持った」と吐露した。今後、Y・M氏に働き掛ける予定について尋ねると、「あとは、ぐっちーさんが自分のブログで説明すべきだと思う」との見解を示した。

 産経新聞は記事の責任をどう考えるかとの6月12日の問いに対し、22日になっても「どの部署の誰が執筆したのか分からない状態で、目下調査中」のままである。

周到なネット工作の影

 Y・M氏はなぜ、調べれば間単に分かるようなうそをついたのか。そこにはネットを利用した情報工作の影がちらつく。

 テレビや新聞が電波の許認可や記者クラブ制などを通して権力側の情報しか流さないのはご覧の通りである。一貫して外国の要求に沿う世論をつくってきた。情報操作の手は既存マスメディアにとどまらない。自民党は「郵政選挙」を目前にした2005年8月と後の11月、著名ブロガーやメルマガ作成者を招いた懇親会を開いた。最初の会合には約100人に招待メールを出し、33人が参加している。自民党からは武部勤幹事長と広報部長代理の世耕弘成参議院議員が出席した。

 その後の動きは公表されていないが、ネット上には連絡を取っていることを打ち明ける書き込みもある。そのため、ネット上には「チーム世耕」という言葉が流通している。ブログでの世論誘導や「2ちゃんねる」での書き込み工作に組織的に従事する集団を指す。

 真偽のほどは分からないが、工作を疑わせる現象は無数に指摘されている。例えば、自民党を擁護するニュース記事がわずか40分間に120を超えるブログに一斉に掲載され、ある時間に一気に削除された。メールや掲示板の書き込み業務の求人も出ている。こうした「闇のバイト」に従事した人の体験談も紹介されている。事実、2006年9月の植草事件直後には、植草氏を中傷するためだけのサイトが幾つも作られた。『AAA植草一秀氏を応援するブログAAA』そっくりのダミーサイトまで出現し、植草氏と支援者を罵倒(ばとう)し続けた。各「2ちゃんねる」には植草氏を「クロ」と決めつける執拗(しつよう)な書き込み人が居座った。国際評論家小野寺光一のメールマガジン『政治経済の真実』は、2006年事件の公判開始前に次のような書き込みが存在したことを指摘している。

 「植草関連のスレに対しては、特に12月6日前後から12月20日前後にかけてウォッチして痴漢内容へ誘導してください。りそな・竹中などの政治経済ネタが出た場合はデタラメとコメントをするか痴漢の内容をコピペして対処してください」

 2006年12月6日は第1回公判、同年12月20日は第2回公判が開かれた。


植草事件の真相封じたねつ造ブログ
−−ネットも支配する情報操作の闇−−(下)

(中)からの続き
中傷も表彰も組織的関与が

 今回の「ぐっちーさん」問題を唯一報じたメディアはインターネットニュース『J-CAST』だが、このニュース会社は2006年の事件直後から植草氏の支援ブログを攻撃してきた。「無実主張『ミラーマン』 ネットでは『手鏡に誓え』」「『物証』突き付けられてもまだ『ミラーマン支援』のなぜ」などの記事を載せ、起訴事実の正しさを擁護してきた。「ミラーマン」という言葉自体が思惑に満ちているだが、この言葉がマスコミの標準規格として流通しているところに、組織的な関与があることをうかがわせる。

J-CAST_2
事件当初から植草氏をたたいてきた『J-CAST』ニュース

 『J-CAST』がブログねつ造問題を取り上げたのは、控訴審で有罪判決が出された後。役割を終え、同社の信頼回復につながる無害な記事といえる。他方、植草氏をそしる書き込みを始めた別の「アルファブロガー」もいる。この管理人は植草事件をえん罪としながら、陰謀論と氏の経済論を極度に否定している。植草氏のブログは、この管理人のプロフィールに管理人と木村剛氏との強い関係が明記されている点を指摘した。日銀出身の木村氏は金融担当相だった竹中平蔵氏の組織した金融再生プロジェクトチームのメンバーで、優良企業や銀行を破たんに追いやる資産査定の厳格化や繰り延べ税金資産の計上ルールの変更などを主張してきた。植草氏は当時からこれを批判するとともに、木村氏が中心となって設立した新銀行が異例の速さで金融庁に認可され、木村氏の関係する企業に多額の融資をしていることを指摘。りそな銀行救済に絡むインサイダー取引疑惑が濃厚に存在し、この問題にも木村氏が深く関わっていることを指摘し、これらの調査を求めてきた。

 「ぐっちー」氏のブログが広く紹介されたのは、「アルファブロガー」に選ばれたことが大きい。同賞は民間人の組織する実行委員会が選定。主宰者の徳力基彦氏はインターネット広告会社の経営者であり、ブログ上の口コミによるマーケティングを展開している。事務局の1つとしているシックスアパート株式会社は、米国企業の日本法人である。この表彰制度についてアルファブロガー・アワードの公式サイトは次のように説明する。

 「『米国では、影響力のある多くの読者に読まれているブロガーを“アルファブロガー”と読んで(ママ)いるらしい、では、日本にはそういった影響力のあるブロガーってどれぐらいいるのだろうか?』
。そんな疑問から始まったのがアルファブロガー投票企画です。
 初めてブログを始める人、また面白いブログを探しているけれど、どこで探せば良いのか分からない人、そんな方々に参考になるブログを、このアルファブロガー・アワードを通じてたくさん見つけていきたいと考えています」

 この実行委員会が権力とどのような関係にあるか、わたしは知らない。しかし、なぜブログを格付けしなければならないのか。

世論誘導する完璧なシステム

 こうした「優良ブログ」はマスコミと連動し、結果として植草事件の真相を封じ込めた。マスコミ記者は警察発表を基に記事を書く。「被害者」や取り押さえた男性との接触は許されない。余計なことを書けば、記者クラブから追い出される危険性がある。事件報道を疑いネット上をさまよう国民は、権威あるねつ造ブログにうそを吹聴される。さらに、反体制を装ったネットニュースに真実へのアクセスが妨害され、「やっぱり、やってたのか」と取り込まれる。

 植草氏の支援ブログは9月22日時点で面会の事実がなかったことを説明しているが、すべてのメディアが相手にしなかった。『J-CAST』などは「炎上」をあおっていた。ライブドアも植草氏に関する記事を掲載する際、Y・M氏の「いかにもな話」を必ず導入ページに張っている。植草氏が名誉棄損で民事訴訟を起こしていることに示されているように、週刊誌も根も葉もない情報を一方的に載せ続けた。

 植草氏は著書『知られざる真実−−勾留地にて−−』(イプシロン出版)で、旧大蔵省の情報操作の一片を紹介している。1980年代、財政金融研究所の研究官として勤務していたときの体験談だ。間接税導入が成長率や個人消費などにプラスの効果がある作為的な試算をし、旧経済企画庁から発表させることになった。この工作を描いた極秘文書が共産党にわたり、国会で追及されたが、メディアは伝えなかった。世論に影響力のある政界・財界・学界の3000人をリスト化し、説得が繰り返されたという。週刊誌記事、テレビ発言、講演発言などがすべて検閲対象になった。メディア幹部には特別の対応がなされ、全国紙やテレビキー局幹部を集めて接待を繰り返し、主要出版社へも特別の働き掛けがあったと明かす。

 財務省所管の公益法人に勤務したエコノミストの紺谷典子氏も、財務省の情報工作の実態を見てきた。公共事業削減キャンペーンが行われたのでないかと財務省に電話で問い合わせると、担当者はあっさり認めたという。ある講演会で語った内容によると、方針に従わない「悪いやつ」がいると、財務官僚が米国に情報をリークするという。

 編集者はねつ造ブロガーの話をありがたく聞き、記者は警察・検察の発表を一生懸命文章にする。植草氏への悪印象が国民的規模で根付く一方で、起訴された事件は自動的に有罪へと処理されていく。判決はそれまでの記事を正当化する。この事態はマスコミ報道に従事する一個人の失策というより、世論を一定方向に導く完璧なまでのシステムができあがっていることをうかがわせる。

 ブログの虚偽の書き込みという小さな事件は、メディア全体を大きな力が支配する現実を浮かび上がらせている。

ジャーナリズム書庫4

ジャーナリズムの本当の目的

ワールドフォーラム1月例会での講演「世論を誘導するマスメディアの本質」動画

経済状況報道のたくらみ
 森田実HP「憂国の士の論説コーナー」

金融庁が大臣会見をフリー記者に開放

国家の分断促す地方の反乱報道(下)
国家の分断促す地方の反乱報道(中)
国家の分断促す地方の反乱報道(上)

急増する左翼報道のたくらみ(下)
急増する左翼報道のたくらみ(中)
急増する左翼報道のたくらみ(上)

ニュース研究(7) 救急たらい回し報道の先に待つもの

ニュース研究(6) 偽装判決文送付事件の真相

ニュース研究(5) アウトサイダー救済報道は奴隷化への道

ニュース研究(4) 校長痴漢報道の真意

ニュース研究(3) 大麻所持報道の真意

ニュース研究(2) こんにゃくゼリー事故報道の真意

ニュース研究(1) 振り込め詐欺報道の真意

亡国番組の言い訳−9月6日放送のNHK総合『日本の、これから 税金』

わたしがマスコミ批判の本を出したワケ、『偽装報道を見抜け!−世論を誘導するマスメディアの本質−』

日本列島の人間牧場化を促すマスコミ(1)
日本列島の人間牧場化を促すマスコミ(2)
日本列島の人間牧場化を促すマスコミ(3)
日本列島の人間牧場化を促すマスコミ(4)
日本列島の人間牧場化を促すマスコミ(5)
日本列島の人間牧場化を促すマスコミ(6)
日本列島の人間牧場化を促すマスコミ(7)
日本列島の人間牧場化を促すマスコミ(8)
日本列島の人間牧場化を促すマスコミ(9)
日本列島の人間牧場化を促すマスコミ(10)
 『ワールド・フォーラム経済レポート』

三浦氏逮捕とポルノ禁止が教える軍靴の足音

チャップリン劇のような不祥事報道
 森田実HP「憂国の士の論説コーナー」

偽装事件という偽装報道
 森田実HP「憂国の士の論説コーナー」

空々しい命令放送騒ぎ
 森田実HP「憂国の士の論説コーナー」

スネ夫的ジャーナリズムのまん延
 森田実HP「憂国の士の論説コーナー」


社会書庫

銀座線が線路火災で非常停止、乗客一時閉じ込め

「新型インフルエンザ ワクチン接種の危険性」
 『週刊金曜日』

感染症対策の専門医がインフルエンザワクチン接種に警鐘=ワールド・ブロガー協会第3回取材会で

インフルエンザワクチン接種の問題点を聞こう! ワールド・ブロガー協会が第3回取材会を計画

月刊誌が鳩山新総理のフリーメーソン説を展開

【訃報】佐宗邦皇氏が死去 数々のオピニオンリーダーを輩出

知られざる職業人の世界(2) 心を撮り、出会いを演出する写真館

知られざる職業人の世界(1) パーソナルスタイリスト(上)
知られざる職業人の世界(1) パーソナルスタイリスト(下)

故木村定男氏の個展始まる 幻の原画が関心呼ぶ

木村定男〈のりもの絵本〉の世界展を開催=5月31日から東京・新宿で

「裁判員制度は中世の魔女狩り」=保坂議員と郷原弁護士がトークライブで異議

権力の情報支配を打破! ブロガーが協会設立
 『週刊金曜日』

「1万人のブロガーが日本を変える」=ワールド・ブロガー協会が設立記念講演会・第1回取材会を開く

ネット監視が強まる中、ブロガー同士の連携始まる=ワールド・ブロガー協会が設立記念講演・第1回取材会を計画

無心に太鼓打ち、自分らしさ保つ=未来太鼓道場の生徒たち

海にもまれ、夢を育てる若者たち=東京海洋大の乗船実習を追う(上)
海にもまれ、夢を育てる若者たち=東京海洋大の乗船実習を追う(下)

「国はお年寄りを見捨てたのか!」=後期医療制度の廃止求め、東京で五千人が集結

開発の是非で揺れる「東京最後の里山」稲城南山、市民団体は遺跡とオオタカによる保存構想を提案

医療崩壊の根本原因は医療費抑制政策(上)保険医協会講演会で李啓充氏が警鐘
医療崩壊の根本原因は医療費抑制(下) 日本も見習う?弱者切り捨ての米病院会社

地デジ化の謎(1)
地デジ化の謎(2)
地デジ化の謎(3)
地デジ化の謎(4)
地デジ化の謎(5)
地デジ化の謎(6)
地デジ化の謎(7)
地デジ化の謎(8)
地デジ化の謎(9)
 『ワールド・フォーラム経済レポート』

あいまいな犯罪歴ファイルの恐怖

秋葉事件は日本人殺りくの予告(上)
秋葉事件は日本人殺りくの予告(中)
秋葉事件は日本人殺りくの予告(下)

車が取り上げられる
 森田実HP「憂国の士の論説コーナー」

「児童虐待報道」が子供たちを檻へと導く(上)
「児童虐待報道」が子供たちを檻へと導く(下)

メイド姿は日本人奴隷化のサイン
 森田実HP「憂国の士の論説コーナー」

鎌倉市で市民が医療保険制度の行方を憂えた 『シッコ』上映と講演会が開催される

御殿場事件の元少年 4人が2審も有罪
 『週刊金曜日』

夏越しのはらいに向け、茅の輪がお目見え

公害玩具「ケータイ」放置の不思議
 「塾生通信」(東京『発言者』塾)

政治書庫

「国民新党は反対。おれも反対」と亀井代表、外国人参政権付与問題で孤軍奮闘

不況脱却に向け、試される民主党の良識(上)
不況脱却に向け、試される民主党の良識(下)

亀井大臣が毎日新聞を批判、2次補正の論評めぐり11日の「第2会見」で

郵政見直しへ向け、日本郵政幹部と政府が合意

亀井大臣、事業仕分けは「人民裁判」

景気回復に向け、綱渡りする亀井大臣(上)
景気回復に向け、綱渡りする亀井大臣(中)
景気回復に向け、綱渡りする亀井大臣(下)

りそな銀行破たんでのインサイダー疑惑、亀井金融相が興味示す=PJ出席の「第二記者会見」で

亀井大臣が自公と別の景気対策を強調、PJも出席可能な「第二会見」で

政権交代で政務内容をオープンに 保坂展人氏が選挙事務所開きで訴え

構造改革に抗議の出馬を決めた元郵政官僚、稲村公望氏に聞く(上)
構造改革に抗議の出馬を決めた元郵政官僚、稲村公望氏に聞く(中)
構造改革に抗議の出馬を決めた元郵政官僚、稲村公望氏に聞く(下)

郵政民営化の本質は私物化=3野党議員がかんぽ問題の集いで訴え

「竹中元大臣の証人喚問を」=鈴木宗男・保坂展人氏が小泉以降の権力の暴走を批判

小泉・竹中路線からの転換で日本に希望を=国民新党の全国会議員が横浜で街頭演説

民主主義のコスト
 『ワールド・フォーラム経済レポート』

屈従に必要な口実
 森田実HP「憂国の士の論説コーナー」

イージス艦「あたご」事故は、戦時をにらんだ組織再編のための策謀か・・・

地方分権という地方破壊
 森田実HP「憂国の士の論説コーナー」

人権擁護法案に反対の要請続々と=日本人の権益守る政治家と国民が決起

小林興起前衆議院議員が主権在米政治を批判
メディア廃棄宣言 NEW! (10/3発売)
【緊急声明】メディア廃棄運動の呼び掛け
D.アイク『答え』第1巻[コロナ詐欺編]
山本太郎氏への拙著贈呈式
山本太郎がほえる〜野良犬の闘いが始まった
新聞に載らなかったトンデモ投稿
亀井静香―最後の戦いだ。
亀井静香が吠える 痛快言行録
偽装報道を見抜け!世論を誘導するマスメディ…
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       高橋清隆

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著者プロフィール


反ジャーナリスト。金沢大学大学院経済学研究科修士課程修了。ローカル新聞記者、公益法人職員などを経て、2005年から現職。『週刊金曜日』『ZAITEN』『月刊THEMIS(テーミス)』などに記事を掲載。  著書に『偽装報道を見抜け!』(ナビ出版)『亀井静香が吠える』(K&Kプレス)『亀井静香—最後の戦いだ。』(同)『新聞に載らなかったトンデモ投稿』(パブラボ)『山本太郎がほえる〜野良犬の闘いが始まった』(Amazonオンデマンド)。翻訳にデーヴィッド・アイク『答え』第1巻[コロナ詐欺編](ヒカルランド)。           

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