日曜日の午後、新潟県立三条高校吹奏楽部の定期演奏会を独りで見に行った。ローカル新聞記者として取材して以来だ。母校でも何でもないが、楽しかった記憶がある。
前半は『アルセナール』コンサートマーチや『木星』、『フレンド・ライク・ミー』の金管8重奏などに続き、歌劇『トゥーランドット』ハイライツが演奏された。生の楽曲は、どんな録音にも勝る。鉄琴の「カチーン」という甲高い打音や、シンバルの「バシャーン」と響く豪快な衝突音、フルートの空気を振動させる息遣いが、客席にいる私にも伝わる。
幕間に放送部による「ラジオトークショー」がオンエアーされた。部員による悩み相談などを披露し、観客を退屈させまいと工夫している。後半は白衣をまとう二人の男女が登場。博士と助手による寸劇を交えながら、『パイレーツ・オブ・カリビアン・メドレー』やバブル時代を象徴する『ダンシング・ヒーロー』、星野源の『アイデア』、二〇一六年の映画から交響組曲『君の名は。』と続く。
博士役の女子生徒は利発そうな声で、「それでは皆さん、ご一緒に『タイムスリップ』」などと観客を巻き込む。『アイデア』のさび部分ではダンサーも登場する。全身で盛り上げると、それに呼応して会場中が手拍子を取った。終わりのあいさつでは、協賛してくれた地元企業や手伝ってくれた演劇部や写真部、放送部への謝辞も忘れない。
生徒たちは皆、笑顔だった。この高校は進学校だから、この子たちはあと一、二年もすれば大都会の住民になる。構造改革やアベノミクスのあおりを受け、ガールズバーで働いたり、奨学金返済に追われるのだろう。しかし、今、打算から解放されて楽しんでいることだけは確かだ。
たそがれ時の帰り道、廃校になった小学校跡やシャッター通りと化した商店街を歩く。朽ちるに任せた木造家屋や色あせた看板が崩れている廃業スナック店舗を尻目に、私の心の中だけは温かかった。
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幕間に放送部による「ラジオトークショー」がオンエアーされた。部員による悩み相談などを披露し、観客を退屈させまいと工夫している。後半は白衣をまとう二人の男女が登場。博士と助手による寸劇を交えながら、『パイレーツ・オブ・カリビアン・メドレー』やバブル時代を象徴する『ダンシング・ヒーロー』、星野源の『アイデア』、二〇一六年の映画から交響組曲『君の名は。』と続く。
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